Continues through all eternity.

スポンサー広告

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
*Edit TB(-) | CO(-) 


「『長編一覧』」
『溢れる想い・全18話』

09

futta1983m.jpg
『本心』

涙が溢れる瞳に、ミックはそっと唇を寄せて囁く。


「sorryオレもカズエをこんなに泣かせている・・
リョウの事とやかく言えないな・・だが・・カズエ・・」


とめどなく溢れる涙に抗うことが出来ぬまま、かずえはミックの瞳を見続ける。

愛する人の意思の一欠けらも逃さない、という意思を込めて。


「オレはズルイ男だ。オレの中には、カオリを想う気持ちが確かにある。
だが、同時にキミを・・カズエを求める想いもあるんだ・・。
オレはキミを失いたくない・・オレに居場所をつくってくれたキミを・・愛していきたい。」


そう言って、ミックは再びかずえに触れるだけの軽いキスをする。

ミックの想いを聞いたかずえの心は、キリキリと締め付けられた。

この男は本当にずるく、優しい男だと再認識させられたからだった。

だがミックは、かずえが想っていたのと違う事を言った。

かずえを放したくないと・・がずえを愛したいと・・そう言ったのだ。


(そんな事言われたら・・離れられないじゃない。
アナタはそうやって私を縛るのね?でも良いわ、縛らせてあげる・・私もアナタを縛るから。)


かずえは心が決まると、ミックの瞳を真っ直ぐ見つめて切なげに微笑む。


「ミック・・いいわよ・・それでも」


その言葉と真っ直ぐ自分を見つめる瞳の色に、ミックは息をのんだ。


「カズエ・・?」


いつもの勘の鋭く、
ぬけめのない男の反応とは思えず、
かずえはクスリと笑みをうかべた。


「いつもは察しがいいのに、こんな大事なときは分からないのね?ミック」


その言葉にミックは苦笑いを浮かべるしかなかった。

かずえは大きく息をすい、吐き出すのと同時に自分の決意を口にしてゆく。


「本当にずるい人だと思うわ。
でもね?ミック、私はアナタの隣を誰かに譲る気なんてないわ。
今アナタが言ってくれた言葉、切なかったけどとても嬉しかった。
私を愛したいと思ってくれてるのなら、とことん愛して。私は絶対にアナタから離れたりしないから。」


ミックは、このかずえの言葉に心底驚いたように目を見開いた。


(オレは・・こんなにも想われていたのか・・
本当に、リョウのことやかく言う資格なんてないネ・・オレには・・。)


そう想い巡らせたミックは、フッと笑みを浮かべた。

かずえの想いの大きさが、無理なくミックの心に広がっていったのだ。


「・・オレは罪深い男だね・・」


「ミック・・愛してる・・」


「カズエ、My whereabouts is you(私の居場所はあなたです)」


溢れる想いが絡み合い、
夜へと飲み込まれていく部屋に紛れながら、
二人の影は甘く切なく溶けてゆくのだった─・・。


--------------------------
--------------------------
スポンサーサイト
*Edit TB(-) | CO(-) 


Back      Next

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。