Continues through all eternity.

スポンサー広告

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
*Edit TB(-) | CO(-) 


「『長編一覧』」
『溢れる想い・全18話』

02

yun_376.jpg
『柵と苦悩』

『愛』という感情を抱いたのは、香がはじめてという訳ではない。

香に出会う前に会った女達の中にも惹かれた女はいた。

だが本気になればなるだけ俺は、そんな女達を遠ざけ逃げて生きてきた。

大切な存在があっけなく消えてしまう痛みを、
俺は身に沁みて理解しているんだ・・・臆病にもなるだろう?。

--------------------

俺が日本へ渡り、
忘れていたものを思い出し始めた頃、
俺なんかの親友になってくれた槇村は、
俺の親父(海原)の組織(ユニオン・テオーペ)に殺されちまった。

その後、無常にもユニオンのブラックリスト載ってしまった香を守るため、
そして・・親友槇村との約束を果たすため、俺は香をずっと傍に置いてきた。

いつの日か表の世界へ戻り、
幸せになってもらうために。

そんな事情が根底にあった俺達は、
不自然な日常を繰り返し、長い年月生活を共にしてきた。

その生活の中で、俺達は苦難を共に乗り越えてきた。


銀狐に狙われた時・・・

マリーが来た時・・・

さゆりさんが来た時・・・

ソニアが来た時・・・

海坊主との決闘の時・・・

ミックが現れた時・・・

そして、親父が現れた時も・・・

香はずっと俺と一緒に居てくれた。

--------------------------
--------------------------


最初に出逢った時から、
あいつは俺の中で他の女達とは違うと、
どこかボンヤリ思っていた。

槇村の妹だったからという事ではなく、
それまで出会った事のないような女だったからなんだ。

屈託のない無邪気な笑顔、
まっすぐな瞳、時折みせる切なげな表情、
自分の事よりも、他人を優先してしまう優しさと強さ。

表裏のない香は、こんな俺に少しずつ温度をとりもどさせ、
俺を・・人間らしくしてくれたんだ・・・。

そして・・俺に向けるようになった表情の中に、
『女』を感じはじめた頃には、もう誤魔化しきれない程・・
俺は香に焦がれ愛してしまっていた・・。

そんな自分の想いに気がついた俺は、
はじめ戸惑いを隠せなかった・・。

当初、香を俺のモノにしてしまった方が楽なのでは?
と考えた事もあったが・・あの時の想いとは、
香へ抱く想いの大きさが桁違いだ・・。

想いの大きさを理解したからといって、
素直に気持ちを曝け出せるはずがない。

香の幸せを考えるなら、血腥くて暗い裏の世界などから、
一刻も早く抜け出させてやらなければ。

心底愛している女だからこそ、幸せになってほしい・・
そしてそれは、自分の隣に居ては香に訪れない・・・そう・・俺は考えていたのだが、
香への想いは膨らむ一方でとめられず、苦悩の日々が何年も続いちまった---。

こんなにも、激しい渇望を感じたことのなかった俺は、
常に香を求める俺自身を責めることで、腹の底で燻る願望を抑えつけていたんだ。

その永遠にも続くかのような葛藤の中で、
香を引き離そうと酷い言葉や態度で深く傷つけもした。

もう・・・手離せなくなっていたというのに。

------------------------------------

(ほんっと、俺ってば往生際悪いよな。
こんな時になってまで、こんなこと思っちまうなんてさ・・。
だが、もう限界だ。槇ちゃん、俺と香を廻り逢わせてくれたこと感謝するぜ。
それから・・いや、これはまた後でちゃんと報告に行ったときにでも伝えるよ。)

--------------------------
--------------------------
スポンサーサイト
*Edit TB(-) | CO(-) 


Back      Next

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。