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「『長編一覧』」
『溢れる想い・全18話』

06

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『変化の連鎖』

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『教授宅・治療室』
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美樹の銃創は貫通銃創で、幸いにも急所を僅かにずれていた。

そして何よりも教授達の素早い処置の甲斐あり、美樹の容態は安定していた。

海坊主の受けた傷は盲管銃創であったが、何しろあの海坊主である。

慣れた手つきで自分で処置をし、何事もなかったように美樹の傍らにじっと座っていた。

そっと妻の手を握っていた大柄な男は、ポツリと最愛のパートナーの名をこぼす。


「・・美樹・・」


その呟きが耳に入ったのか、
側で忙しなく動きまわっていた教授が、
まるで子供に言い聞かせるように微笑みながら言う。


「・・誰のせいでもないじゃろうて、そんなに自分を卑下しとったら
 どっかの誰かさんと一緒じゃろ?美樹君はもう大丈夫じゃ
 お前さんも重傷なんじゃ、少しは休みなさい」


教授に言われて海坊主は苦笑いを浮かべると、鼻を鳴らしながら言う。


「・・・フンッあんなヤツと一緒せんでくれ・・
だがアンタの言う事にも一理あるな・・少し休むとするか」


そう言うなり、美樹の手を離して自分のベットへと戻って行った。

その大きな後ろ姿を眺めながら、教授は独り言をもらす。


「ホッホ・・一緒じゃよあの『ボウヤ』も、お前さんもな・・まだまだ青い若造じゃて・・ホッホ」

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『教授宅・廊下』
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海坊主が療養室に戻ろうとしていると、ミックと廊下ですれ違う。

無言で横をすりぬけようとするミックに、海坊主がニヤリと笑って一言もらす。


「・・これでようやく、この街も少しは平和になるってもんだなっ
 あのもっこり男も年貢の納め時だ」


その言葉を素直に喜んで受け止める自分と、
少し残念な想いが隣り合わせでいるミックは複雑な顔をしながら呟く。


「ファルコンが『平和』なんて口にするとはなっ
 しかし・・カオリが少しでも幸せになってくれるなら嬉しいじゃないか
 いつまでも、悲しい瞳のままでいてほしくないからね・・・
 なんたってオレの初恋の相手なんだからなっ・・」


そう言いながら、少し切なげな表情を浮かべたミックを見て、
海坊主はヤレヤレといったように、呆れ顔をミックに向けて言う。


「フンッいいのか?そんな事を言っていて・・
失いたくないなら、きちんと掴んでおくんだな//」


今回の騒動で傷ついた花嫁の事を想いながら言ったのだろう。

大男は自分の言った事に少し赤くなりながら、用意されていた部屋へと入っていった。

昔からリョウをよくしるミックにとって、海坊主も腐れ縁というべき男である。

アメリカに居た時には、まず感じたことの無かった温かみを、
先ほどの言葉の中に感じ、ミックは小さな笑みを浮かべた。。


「あのファルコンとこんな会話をするとはな・・これも女神(カオリ)のお導きかな?」

 
そう小さく呟きながら、ミックは最愛のパートナーの元へ向かったのだった─・・。

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