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『短編集』

『With You - First Part』

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『冴羽アパート・リョウの寝室』
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すでに日付はかわっているだろう夜更け。

リョウの部屋は、漸く情事の後の甘い空気が薄れだしていた。


(盛りのついたガキみてぇだよな・・俺。)


リョウは、自分の心の声に苦笑いを浮かべると、
自分の腕の中で可愛らしい寝息をたてている香を見つめ、
腕枕している方の指先に、香の柔らかなクセっ毛を優しく絡ませる。


(人の気も知らねぇで、気持ちよさそうに寝てくれちゃってまぁ・・
こっちはなぁ、新しい頭痛の種が出てきてて大変なんだぜぇ?。
ったく・・無防備すぎんだよ・・おまぁは・・。)


リョウはそんな事を思うと、小さく溜息をつきながら、
幸せそうに眠っている香の鼻先を人差し指で軽く突付いた。


「ん~・・ムニャムニャ・・」


リョウの指先の感触がこそばゆかったのか、
香はリョウの胸へ擦り寄るように寝返りをうち、そのまま夢の中へと戻ってゆく。

香が無意識にした可愛らしい仕草に、リョウはフッと目を細める。


(こんな生活が送れるなんてなぁ・・・・。
『あの時』、死んじまわなくて良かったぜ。槇ちゃんと香に、感謝しねぇとな。
あぁ・・そうだ・・『あの時計』・・はやいとこ良い職人みつかんねぇかな・・。)


『あの決戦の夜』にした覚悟を思い出したのだろう。

リョウは微睡(まどろみ)の中でそんな事を思うと、
香にかかっているシーツをそっと直し、
ヒンヤリした空気から守るように、香を優しく抱きしめる。

香の体温を感じながら、リョウもゆっくりと瞳を閉じ、
穏やかな眠りの中へと落ちてゆく────・・・。


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槇村の墓石とともに、リョウの命を救った『あの時計』。

『あの時計』は、海坊主との決戦の後も、実は大切に保管されていたのだ。

もちろん、香に知られぬようにこっそりと。

何とか修理できないものかと、
リョウは密かに時計屋を巡ってはいたようなのだが、
銃弾をあびて壊れた時計など、普通の方法で修理に出せるわけがない。

そうこうしている内に、様々な難解な出来事が二人の前を通りすぎてゆき、
壊れた時計は、あの墓地での姿のまま、長い眠りについていたのだった。


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『三日後・冴羽アパートリビング』
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朝・・といっても正午に近い時間、香は初春の季節に相応しい、
春色のセーターと、真っ白なタイトスカートに身を包み、
日課の伝言板と、1週間に一度の買出しに出ようとしているところであった。


「リョウ、伝言板見た帰りに、スーパー寄ってくるけど、
夕飯、何か食べたいのある?あんまり贅沢できないけど、
リクエストあったら言ってね。無いなら適当に買ってくるから。」


ソファに寝転がっていたリョウは、
香の言葉を聞いてムクッと起き上がると、
香が用意してくれていたコーヒーの残りを飲み干し、
空になったカップを持って立ち上がった。

そして、そのままリョウは、香にニヤリと厭らしい視線を送りながら口を開く。


「ん~じゃぁさぁ~、何かスタミナのつくもんにしてくれよ。
毎日毎日、朝昼晩と頑張っちゃってるもんなぁ~僕ちゃんてば♪ぐふふ♪」


などと言いながら、リョウは恒例の様に、
モッコリしている股間を、自慢するようなポーズをとった。

どこをどう見ても、一般人から見れば、
今のリョウのポーズや表情は、変態そのものだ。

普通の女性であれば、こんな場面に遭遇したら、
警察に駆け込むか、猛スピードで逃げるかするだろう。

だが、そこは長年このモッコリ男と連れ添ってきた香である。

香は、リョウの言葉とポーズを目の当たりにし、
軽く溜息をつくと、片手にミニハンマーを召還し、
『ある部位』に狙いを定め、ミニハンマーを勢いよく放り投げた。

そう、まるでソフトボールのピッチャーが投げるように力強く。

投げられたミニハンマーは、
素早く回転し、香が狙い定めた『部位』へと、
室内の空気を裂きながら一直線に近づいてゆく。

香は、ミニハンマーの軌道を確認すると、
やれやれといった表情を浮かべ、そのまま出て行ってしまった。


そして─・・・



パタンッ(リビングの扉を香が閉めた音)

ドスッ(ストライクの音)

「ん”がぁっ!?」(ご想像にお任せします)



3つの異なる音(?)が綺麗に重なり、
なんとも言えない音色となってリビングに響き渡った。

その直後、変態ポーズをとっていたはずのリョウは、
低い呻き声をあげ、真っ青になりながら股間を押さえ、
前のめりに小さく蹲ってしまった。


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そう、既にお解り頂けているとは思うが、
香が『狙いを定めた部位』というのは、
リョウが恥ずかしげもなく・・・いや・・・
寧ろ、誇らし気に突き出していた『モッコリ』であった。

鋭く回転を効かせた凹凸のある鉄の塊が、
男の急所に見事にストライクしたのだ・・。

(※絶対に真似しないでください)

普通の男性が同じ事をされてしまえば、
救急車モノの騒ぎになるであろう・・。

だが、そこは流石の『もっこりリョウちゃん』である。

無痛とまではいかないが、
3分程度沈黙するだけですんでしまうのだから。


『きっちり3分後』


リョウはスクっと立ち上がると、
数回ピョンピョンと跳ね、苦笑いを浮かべる。


「ったくぅ、冗談だっつのにぃ・・
すぅぐハンマー飛んでくんだもんなぁ~・・
・・・こりゃ、今夜はご褒美はムリかぁ?・・」


リョウはそう小さく呟くと、
いつものコートのポケットに、
『ある物』が入っているのを確認すると、
フッと笑みを浮かべ、リビングを後にしたのだった。


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